体を巡る甘い毒

好きになったアイドルのこと

キャラの名前すらうろ覚えの人間がうたプリの映画に1日で2公演入った話

以前拝見したはてなブログを読んでから気になって気になってしょうがなかったうた☆プリのライブにお邪魔してきました。

ライブ参戦したい。特効浴びたい。

目には目を歯には歯を。現場ロスには現場を

 

名前すらうろ覚えで辛うじて顔とメンカラだけ覚えていったミリしらどころじゃないレベルの人間を、1公演終わった直後から禁断症状に陥れ、その日のうちに無歓声応援にまで手を出させるうたプリ、おっかねぇ。

なんならもう行きたくなってる。IMAXで浴びたい。週に一回はIMAXとかお願いできないですか。特効の音をあの音響で聞きたい。7人の声に包まれたい。

 

1時間とは思えない密度のライブ提供して下さってるのにチケ代2千円しないのバグってる。オタクに金を払わせろ。ちゃんと対価として受け取れ。消防法ガン無視世界での特大規模の特効とステージセットの維持にオタクの金を使ってくれ。少なくとも私は自分のお金がライブに還元されているところを見て喜ぶタイプのオタクだから。

 

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入場者特典できてくれたのは神宮寺くん。愛と書いてライブと読ませる男にお呼ばれしてしまった。映画開始前の数分で彼を調べたら、声帯アンダーテイカーのドルイット子爵。「ぜったいタラシだこの人」とかド偏見の塊みたいな印象抱いたままライブ開始。(ごめんなさい)

 

全員プライベートジェット操縦できる超絶ハイスペック集団。(彼らは魔法使い。操縦くらいお手の物。OK. OK.)とか安心してたら全然大丈夫じゃなかった。彼らブルーインパルスか!?!?そんなに機体近づけて大丈夫か!?!?涼しい顔で微塵もブレない完璧な操縦して、彼らアイドルだよね?

 

1. マジLOVEスターリッシュツアーズ

機内でマイク構えるときの服の擦れるちょっとした音と表情収録したスタッフ誰!?!?この時点でスタッフの有能さが垣間見えた。

ジェット機から登場しながらの歌い出し、久しぶりに聞いたファンの歓声にうおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!これだよこれ!ライブっていいよね!!!!顔とメンカラしか知らないオタクテンションぶち上げ

 

2. 挨拶 

他のメンバーが話してる時にカメラの隅でファンサしてるの本物……!!ライブならではの高揚感に満ちたMC…再現度たっか

子羊ちゃん呼びと、「待ちきれなくてプライベートジェットで迎えに来ちゃったよ」でダメだった。私にはまだその耐性が備わってない。言葉が甘すぎて可笑しくなってしまった。Sorry…あと、神宮寺レンさん、まだ1曲しか歌ってないのに何回ウインクしました?こんな呼吸するようにウインクして…うぉぁ…

「機長7人は多すぎましたか?」って聞くセシルくんはあざとすぎる。

身長順に並んでパイロット衣装紹介してくれるの、かわいい何それ保護。

ワンポイントのメンカラのおそろいパイロット衣装最高です。大好き。事務所のオタクに対する解像度が高い。

 

3. Ok,Hello World!

麗しき青髪美人さんのグランドピアノソロから始まって私が好きなかっこいい曲の予感でワクワクしてたら__

おっ…!音也!!音也ぁぁ!!!

あの、私この子のこと知って数分しか経ってないのに、最高ビジュ叩き出してきて心臓もぎ取りに来たの責任取ってもらってもいいですか???ずるいよセンターパート!!!!音也!!!うぉぉぉぉぉぉ!!!!応援上映の時ペンラぶん回してた。)

さっきまできゅるきゅるでパイロット衣装紹介してくれてた彼が!!ロックな衣装でギターかき鳴らして!雨降らして!!雷落として!!!

自在に天候操る音也はたぶん雷神さま。

 

4. Ready to be a Lady

最初の物憂げな表情に(え、なに…どした…?)って心配してたのに、思いっきり正面からフェロモン浴びた。

喰われた。分けわからないうちに喰われてた。

こんなフェロモン耐えられない…翔くん助けてってすがる私に、「じゃあ俺にする?」とでも言わんばかりの色気と格好良さ突き付けてきた。逃げ場なし。無慈悲。

脚が恐ろしく長かった。スクリーンの上から下まで脚だった。上半身は内臓収納するのに必要最低限しかない。

曲名 "a Lady" なのに "my Lady" って歌うし…この世の女はみんなレン様の…。理解理解。何の疑いもない。

マネキンを女性に見立てる演出KAT-TUNで見たぞ。良いよね…って既視感覚えて束の間の平常心取り戻してたのに…あんなに色っぽく撫でるのは知らない。私の推しは横に仁王立ちで放置プレイ。それはそれで性癖ねじ曲げてくる罪深い男なんですけど。神宮寺レンの透過度100%の女性扱いに慣れてない。それに「君がいないと生きられない」って言いました?まだ“俺なしじゃ生きられなくしてやるよ”の方がまだ命紡げた。助けてかみさま。

曲終わった後、息が切れた吐息エロ過ぎ。大罪。

 

5. トリッドラヴ

寝てるところマジで猫ちゃん。なのに打って変わって階段降りる歩き方は雄。

床にカメラ埋め込んだの誰ですか。あんな上からのぞき込まれて死なないオタクいない。オタクに対する解像度がめちゃ高い事務所。(2回目)

メンバー召喚するし空中飛び回るし今度は風神さま?ワイヤーも無しに飛び回って理解が追い付かなかった。Don't think. Feel. 「大空にだって 星にだって go go!」って妖精のように軽やかに飛びまわるセシルくんが言うのなら、私も飛べる気がする。アラブのピーター・パンだった。

音也もしれっとウインクしてた?幻覚??

 

6. Snow Ballade

スノードームの中に囚われた美人さん出てきた…

映画始まる前に御曹司組の片割れそれぞれ財閥の息子で仲が悪かった時期を経てきたって情報を辛うじて入れてたから、聖川真斗のソロに神宮寺レン出てきたの本当にほんとうにしんどい。シンメ厨ご臨終。

聖川さんが灯した小さな光を神宮寺さんが大きな太陽に育てて、会場一面が雪解けして春が芽吹いたかのような演出が心に沁みた。温もりに満たす役割のためだけ、あの一瞬のためだけの出番に神宮寺レンが適任だって聖川さん自身でオファーしたのだとしたら、聖川真斗の中で太陽は神宮寺レンって認識が存在してるってこと!?!?絶命。犬猿の仲だったっていう文字情報しか知らないのに)

一言ひとこと大切に歌う聖川さんの優しい歌声も相まって、感動した…

 

7. 愛をボナペティ♪

ご臨終したシンメ厨に救いの手を差し伸べてくれた天使、四ノ宮那月くん。癒し。

「うえうえ、したした、ぐるぐるまわして、できあがり~♪」ん"...!!か"わ"い"い"!!やっぱりおかあさんといっしょが故郷なので…応援上映では外見は至って冷静を装い、内心は全力でペンラの振り一緒にやった。「完璧で〜す♪」ありがとう、大好き。

那月くんのビブラートずっとかかった歌い方好きだし、そもそも歌が上手すぎる。

エンドロールのオフショで彼クマの中が神宮寺レンだと知って、危うく映画館で声出そうだった。抑えた私エライぞ。真性のモテ男、クマに入ってもイケメンかよ。

 

8. TRIGGER CHANCE

ステッキで照準合わせる時、トキヤ目線にしたの天才。確定ファンサで撃ち抜かれた。

腰振りで歓声上げちゃうのは次元を超えた共通認識だった。(腰振りはソロアングルにしてって何度言ったら…それともなんだ、ソロアングルにしたらオタクが死ぬかもしれないっていう配慮か!?オタクなんて推しに殺されてなんぼなところあるんだから頼むよ事務所!!!)

自分抱きしめながらの表情何!?!?どこで覚えたのそんなこと!!!(誰目線?)トキヤは表情が豊か…OPから表情筋全稼働。表情もだけど、歌声も豊か。元気に歌ったり、吐息混ぜてみたり…。

「Bakyun! World」でのペンラ振りめっちゃ楽しかった

 

9. 来来☆オーライ

かわいい、かっこいい、げんきの三つ巴、来栖翔くん。運動神経抜群で翔ぶし、回るし、とにかく楽しい。ピンク振れ振れ俺色☆ピース (ピース!)

「愛愛 I Love 我爱你」曲中で、公式で、愛の言葉言わせてくれてサンキュー!!!おれらのドデカ愛を受け取れ~~~~!!!!

龍に乗る翔くんを下から見守る他メンバー映してくれたのエモだった。ぴょんぴょんしながら両手ブンブン振るセシルくんかわいい。

耳に残る楽しい曲で、以来ずっと頭の中流れてる。

 

10. UUUU

UUUUに関しては良すぎて記憶がない。

プリティキュートなほわほわソロ曲の那月くんがUUUUで雄になったギャップで死んだ。ゴリゴリにダンス踊るし、さっきのかわいい声帯どこ行った。この人が7人の中で一番たっぱあるの忘れてた。シャツのボタン閉めてくれ。身が持たない。めちゃくちゃ歌うまいし、ビブラートのかけ方好きだし、英語の発音の仕方大好き。「召しませKiss 心からのヴァイブレイト」のKissの s とヴァイブレイトの t が好き。"かわいい→雄" のギャップを見せてくる男が一番危ない (私調べ)

(この曲のためだけにUSJ地球儀の輪切りプログラムが入れたんでしょ贅沢だ~~)とか思ってたらそれ以上に特効が凄まじかった。消防法のない世界の特効、規模がデカい。メンカラの炎の最高到達点バカ高くてこっちのボルテージも最高潮。それに特効の炎出るときの音ってなんであんなに興奮するんでしょうね。視覚聴覚嗅覚全部満たしてくれる特効バンザイ。特効の威力そのままの音をちゃんと収録して下さったスタッフにお中元送りたい。

人差し指で煽る翔くんは拝んだ。チャイナ風のソロ曲は元気いっぱいな男の子の格好良さ、神宮寺レンのソロでは大人の格好良さ、格好良さの中だけでも数多の顔を使い分けるあなたは一体何者なの。あの煽りだけでチケ代の元取れる。

光の加減で模様浮き上がる衣装好きです。急に制作側の話するけど、光の当たり具合考慮して表現するのにかなりの労力費やしただろうし、それでも彼らの衣装にはこの細工が必要なんだ!という制作側の強い意志を感じました。ありがとうスタッフ。

 

11. SAMURAIZM

真っ赤に咲いた一面の彼岸花に囲まれて立つ、凛とした表情のイケメンたち良すぎた。面のいい男の殺陣とか大好物でしかなかった。

途中で映像モノクロにしたことで一気に映画のワンシーンに飛ばす演出とか、一列に並んでシンクロダンスとか、私の大好物全部詰めましたみたいな感じで最高。

聖川真斗さんのソロの時もだけど、ファンにペンラ調教が施されてる。ソロ曲の時はその人のメンカラしか光らせないし、雪解けのオレンジ色も、今回の彼岸花の赤もオタク全員の結束が凄い。

 

12. MC

UUUUとSAMURAIZM、お互いに褒めあって、テンション上がったままメンバーだけで楽しそうにしてるの、オタク好きなの分かってるな事務所…(n回目)

UUUUの4人がSAMURAIZMの歌舞伎の振り真似した後の「そんなにやってないですよ…」ってトキヤがなんか妙に刺さった。何故。

サプライズの時、まず初めにファン安全確保しようとしてくれたこと、本当にトラブルだった場合1番先に大事なもののことが頭によぎると思うので、ファンのこと第一に大切にしてるんだなって…サラっと出た言葉だったから余計に優しさを感じた。

この時だったか記憶怪しいけど、神宮寺レンが「愛される幸せを教えてくれた君に恩返しがしたいんだ(ニュアンス)」って言ってて、過去に何かあったのか勘ぐってしまった。溺れるくらいの愛に満たされてくれ…困っちゃうほど幸せになって…

 

13. ST☆RT OURS

ライブの終わり感じさせてる曲調から始まって、終わってほしくない感情にさせてられた。淋しい。

最後の7人肩を組みあったところの後ろからショット、未来に向かっていく背中を見せてくれているようで泣くところだった。だって、「始まりをくれた君へ、僕らと一緒に未来を創っていこうね」って曲で、そんな強い背中見せられて…それに「誰一人欠けたって 今ここに立ってない」って歌いながら、7人で輪になったり肩組んだりしてさ…これ書きながら涙出てきた…涙腺ボロボロ

特効から放出される熱でそもそも会場の気温上昇してるし、ライブの熱量で体温上がって汗も死ぬほど出てるであろうこのタイミングでこんなにもっこもこの衣装着てきて単純に心配になったけど彼ら魔法使いだから_。
ここまで散々魔法使いって言ってきたけど、彼ら多分プリキュアだ。衣装がメンカラの光に包まれて、スタイルの違う衣装に変身してようやく気付いた。それなら空飛んでも雷落とせてもマネキンが急に動き出しても何もおかしくない。

気球で飛んでる時に、聖川さん口パクで何か仰ってるんですが、2回観ても全く分かりませんでした。次会う時にリベンジします。

 

14.アンコール

御曹司組のデュエット曲、本当に犬猿の仲だったか不思議なほどやさしい表情でお互い見てませんでした?それにマイク遊びの絡み、ファンに喜んでもらえるのかなって2人で考えてくれたんですかね???それに曲名「セイクリッドペアーズ」、Sacred : 神聖なって意味で、漢字も2人の頭文字だし、2人のシンメが神聖だし、そもそももともと犬猿の仲だった2人が「神聖な2人」って曲を歌ってるのがもう………(ちゃんとアニメ履修してから語ります)

マジLOVE1000%。少しだけ聴いたことがある曲。ここで、セシルくん目線の映像入ってきて、その後ふにゃっと笑うセシルくんで泣きそうになった。そんな愛おしい視線で…

 

最後のあいさつまで完璧にライブだった。というかこれはライブ。映画じゃない。会場が映画館のライブ。ライブ特有の幸せな疲労感があったので間違いなくライブです。

 

それに入場者特典がオタクの心を分かりすぎてる。ライブ冒頭のプライベートジェットの搭乗券、ライブ終盤に放たれる銀テ。画面の中にあるものが手元に。私は手を触れられる空間で彼らに会って、ライブを観てきた。2次元と3次元の狭間で、間違いなく同じ空間にいた。

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余韻に浸りすぎてポヤポヤした頭のまま暢気に帰ってきてパンフレット買い忘れてた。もう一度会いに行きます。今度はちゃんとアニメ予習してから行きます。

とりあえずアプリは入れました。お気に入りは入場者特典でお迎えに来てくれた神宮寺くんです。ガムシロップ直飲みみたいな甘いセリフをずっと囁かれてます。

 

うたプリのこと何も知らないオタクがライブ終わりテンションのまま書いたブログで、読みにくかったと思います。ここまで読んで下さりありがとうございました!

39歳になった貴方への好きを少しだけ

KAT-TUNとしての中丸くんを目の当たりした15th Anniversary LIVEからもう1年と半年。

3人が表現する世界観に心酔し、LIVEというよりも博物館や美術館に行ったような感覚の方が近かったかもしれない。芸術品に触れて感動したことすら自覚できないほどの衝撃を受けた。

 

そんな夢心地のような感覚で沼落ちしてからというもの、中丸くんへの好きは膨張を止めることを知らない。

 

 

YouTubeも漫画もラジオも、自分の好きなこと、やりたいことは何でも挑戦し、どこまでも深く追求する姿勢を言葉でも行動でも見せてくれるところ。

 

漫画を一緒に作った女の子から貰ったバッジをどれだけTシャツを着替えても、24時間TV放送中ずっと左胸に付けていたところ。

 

将来を期待して機材をプレゼントする時に「高価なものをもらって逆にプレッシャーになったりしないか」とか自分の考えだけじゃなくて貰う相手のことまで丁寧に気を配るところ。

 

ここ最近のことを振り返るだけで、挙げきれないほど大好きなところが出てくる。ずっとずっと好きが更新されていく。

 

アイドルとファンという関係で、本当の中丸くんを知ることなどできないけれど、それでも誕生日にシューイチファミリーからサプライズをしてもらっている動画や、公式Twitter各所から誕生日おめでとうのメッセージを見ればどれだけ中丸くんの周りの人から愛されて、深く信頼関係を築いているかなんて誰が見たって明瞭。
大きな音が苦手なのを考慮して音の出ないクラッカーで祝っているのを見て、私の大好きな人は今日もみんなから愛されて笑顔に包まれた空間にいるんだと思ったら、誰目線か分からない涙が出た。(ホント誰目線)

 

 

 

 

「僕はさらりと不言実行

そんなタイトルのpersonが発売されたのが2020年7月9日。コロナが流行してすぐの頃。「Johnny's Smile Up! Project」の一環で配信された、出演から編集まですべて中丸くん一人で創り上げたフルーツカット動画や、毎日登校されたの4コマ漫画についてのインタビューも掲載されていたのを思い出して読み返していた。

 

年単位でYouTubeを作り上げていく上でのスキルや4コマ漫画を形にする基盤を築き上げていく継続力。

 

「ルールがあった方が、いろいろ工夫して面白いものができると思う。」と言って、ルールを道具にしてしまうクリエイティビティの高さ。

 

やりたいと思ったことを実現するための努力を惜しまず、有言実行(ある時は不言実行)、その上成功させる行動力。

 

そしてそれを実現するための人脈と信頼を常日頃から構築できる人間性

 

こんなありきたりな言葉でしか表現できない自分が憎いけれど、中丸くんは大好きで推している人でありがなら、こんなことを言うのは烏滸がましいとは思いつつも尊敬して目標にしている人。

 

正直ここまでくると尊敬通り越してもはや宗教。

 

 

 

 

「楽しくやりたいので楽しくやります」

その一言が聞けて、これから中丸くんが世界にどんな光を注いでくれるのか楽しみで仕方がありません。

 

これからも変わらず、いやそれ以上に、周りは常に笑顔であふれている愛おしさに包まれた空間で、私の大好きな人がやりたいことに没頭して、心身ともに健康で、毎日楽しい日々を過ごせますように。

 

満開の桜の下で毒を飲み込んだ話

 

 

2021年4月3日、中丸雄一さんに堕ちたその日は満開の桜に包まれていました。

大切なこの日を記録しておこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「派手で凝った演出好きでしょう?」

 

 

そう言って友人は15周年の貴重なライブに誘ってくれた。特効、レーザー、炎に水。その魅力的な単語の羅列に食い気味で頼んだ。

 

 

 

 

 

 

シャトルバスの中でLINEを開き、演出をまとめてくれたファイルを見返す。送られてきてから幾度となく見返したファイル。今日ようやく目の当たりにできるかと思うと楽しみで仕方がなかった。遠足に行く子供のような気分でバスに揺られること約50分、セキスイハイムスーパーアリーナに到着した。

 

 

 

チケットを発券し、席に着く。天井を突き抜けるほどの水柱が立ち、火柱が燃え上がるという中央のステージがよく見えた。その上には、亀梨くんのソロ曲でスモークを焚く装置。視線を移すと、花道を囲うように降りてくる蛍光灯がずらりと並んでいる。

 

セットを見て静かにはしゃいでいたところ、KAT-TUNを迎える手拍子が鳴る。

 

 

やっとだ。待ちに待ったライブが始まる。

 

 

 

 

 

映像が流れ、KAT-TUNの文字が浮かび上がる。

 

ブロックを蹴り飛ばして上田くん、幕が落下して中丸くん、スモークが焚かれ亀梨くんが姿を現した。

 

 

 

聴きなじみのあるメロディーが流れ、ペンライトの海が一斉に波打つ。

衣装をたなびかせてステージに立つ3人は、曲ごとに纏う雰囲気を変えていく。これほど壮大な特効の中、燦然と輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

様子がおかしくなったのはいつからだろう____。

よく覚えていない。気づいたら。いつの間にか。

 

 

 

 

 

 

 

テレビで見る中丸くんと同じ顔をしたその人は、伏し目がちに透き通る声で言葉を音にのせる。かと思えば力強い視線を向けがなる。表情一つ変えず鞭のように舞う。

 

 

 

惹き込まれて、目が離せなかった。

あれだけ楽しみにしていた演出が、目の前で目まぐるしく繰り広げられているというのに。

 

 

 

 

 

 

私の視線は中丸くんに捕らわれたまま時間が過ぎていく。噴水の奥に隠れて見えない彼を透明な柱のわずかな隙間から追いかける。3人の溶けあった声の中からその声を探す。

 

 

 

毒となった魅力に脳を侵されたようだった。情報を何一つ吸収できない。すべて抜けていく。

 

 

見えているのに、見えない。

 

聞こえているのに、聞こえない。

 

 

 

記憶に残せと脳に言い聞かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

はたらかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

視覚情報、聴覚情報、何でもいい。何か持って帰れ。

 

 

 

 

 

 

 

 

はたらかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

文字情報でいいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

拒まれる。

 

 

 

 

 

 

 

これほどまでにいうことを聞かないことがあったか。

意識と体が分裂するというのはこういうことかと思い知らされた。コントローラーのいうことを聞かなくなったラジコンのようだ。制御の利かなくなったラジコンは無我夢中で標的を追いかけている。使い物にならないコントローラーを投げ捨て回収しようとするが、手が届かない。電池が切れるのを待つしかなかった。絶えず浴びせられる魅力で充電し続けるラジコンはいつになっても止まってくれない_____。

 

 

 

2時間のライブ。脳は何一つ記憶してはくれなかった。

 

 

家に帰っても余韻は抜けず、その日は何もせずにベッドに潜った。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、テレビのチャンネルをいつものようにシューイチに合わせた。

 

何食わぬ顔でそこにいる。ヒデさんに声を掛けられコメントしている。まじっすかでOP動画を楽しそうに作っている。何も変わらない、いつも通りの日曜の朝。

 

違うのは私だけ。

 

呆然としているうちにニノさんに変わっていた。

 

 

加速するラジコンは、寝ている間に中丸くんの情報を入れるスペースを勝手に作っていたらしい。夢中で画面を見続けた。宮城公演のレポを漁る。「#中丸雄一」で調べる。スクロールするだけ情報が入ってくる。手を止めろと警鐘が鳴り響く____。

 

 

 

他のことをしようとしたけれど、手につかない。朝100%だった充電がほとんど無くなっていた。頭の中から1秒たりとも消えてくれない。きっと今この気持ちを殺したところで抱えきれないほど大きくなってしまう。そんな予感がして、自分の意思に従うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急に生まれた火種はあっという間に燃え広がり大輪の花を咲かせてしまった。

 

藤棚から降り注ぐ光のような歌声に包まれたこの日、甘美な毒を飲んだ。